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ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策|合格に必要なのは「当てる力」ではない

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の一次試験を通過すると、次に待っているのが二次試験、いわゆるテイスティング試験です。この段階で、多くの受験者が強い不安を感じ始めます。

「味覚に自信がない」
「センスがないと無理そう」
「銘柄を当てられないと落ちるのでは?」

こうした不安はごく自然なものです。しかし結論から言えば、二次試験の本質を正しく理解できていないことが、不安の正体であるケースがほとんどです。

二次試験とは?


目次

二次試験は「当てる試験」ではない

まず最初に押さえておきたいのは、二次試験は品種や産地を当てるゲームではないという点です。

試験では、あらかじめ用意されたテイスティングコメントシートの中から、

  • 外観
  • 香り
  • 味わい

に該当する選択肢を選んでいく形式が採られています。

自由に文章を書く試験ではありませんし、自分の感性を披露する場でもありません。
求められているのは、感じ取った要素を、試験用語に正しく当てはめられるかどうかです。

※ただし、昨今は【敢えて品種の正解を狙いにいく】という教え方をしているスクールも多いそうです。それも一つの方法ですので、否定する事はございません。


配点の中心は「外観・香り・味わい」

多くの受験者が誤解しやすいポイントですが、二次試験では品種・産地・ヴィンテージそのものの配点は決して高くありません

評価の中心となるのは、

  • 色調や清澄度などの外観
  • フルーツ、花、スパイスなどの香りの系統
  • 酸味・タンニン・アルコール感・バランスといった味わい

といった、ワインから直接読み取れる要素です。

つまり、仮に品種が外れていたとしても、外観・香り・味わいの選択が的確であれば、合格ラインに到達することは十分に可能です。

【重要】:品種の正解を端から捨てにいくという事では無く、大筋を当てにいく必要性があるという意味です。


独学でつまずきやすい理由

独学で二次試験対策を進めている方ほど、次のような思考に陥りがちです。

「これはシャルドネっぽい」
「たぶんフランスだと思う」

このように最初に答えを仮定してしまうと、そこからコメントを合わせにいく形になりやすく、結果として評価の軸がズレてしまいます

試験で求められているのは、

  • 何が見えたか
  • どんな要素を感じたか

を一つずつ積み上げる思考です。

しかし独学の場合、

  • コメントの選び方が正しいのか
  • 他の選択肢との違いを理解できているのか

を確認する手段がなく、「なんとなく」で進んでしまうケースが少なくありません。


二次試験に必要なのは「センス」ではない

ここで強調しておきたいのは、二次試験に必要なのは鋭い味覚や特別な才能ではないということです。

必要なのは、

  • 見えた情報を整理する力
  • 感じた印象を言語化する力
  • 試験用の評価軸に当てはめる力

これらはすべて、訓練によって身につけることが可能なスキルです。

二次試験は孤独な感覚勝負ではありません。
考え方と整理の順序を理解すれば、誰でも「正解に近づくルート」を持つことができます。


二次試験で「点数が決まる仕組み」を理解する

二次試験対策を進める上で、もう一段階深く理解しておきたいのが、どこで点数が決まっているのかという評価構造です。

二次試験は感覚試験ではなく、評価項目が明確に分解された構造的な試験です。
テイスティングコメントシートを見れば分かる通り、評価は大きく次の4つに分かれています。

  • 外観
  • 香り
  • 味わい
  • 評価(総合判断)

この中でも、配点の中心を占めるのは「外観・香り・味わい」です。


外観評価は「最初に差がつくポイント」

外観は軽視されがちですが、実は非常に重要な項目です。
理由は、情報量が多く、かつブレにくいからです。

色調、濃淡、清澄度、粘性などは、落ち着いて観察すれば誰でもある程度正確に判断できます。
逆に言えば、ここで大きく外してしまうと、その後の香り・味わいの方向性もズレやすくなります。

外観はウォーミングアップではありません。
試験全体の軸を決める、最初の重要な工程です。


香りは「当てる」のではなく「分類する」

香りの項目になると、急に難しく感じる方が増えます。
しかし、ここで求められているのはピンポイントで当てる力ではありません。

香りは、

  • 果実系
  • 花系
  • ハーブ・スパイス系
  • ミネラル系
  • 熟成由来

といった系統で捉えることが前提となっています。

「これは何の香りか?」ではなく、
「このワインは、どの方向の香りが中心か?」
という視点に切り替えることが重要です。


味わい評価は「強弱とバランス」が軸になる

味わいの評価では、

  • 酸味
  • タンニン
  • アルコール
  • 甘み
  • ボディ

といった要素の強弱と全体のバランスが問われます。

ここでありがちな失敗が、「好き・嫌い」や「飲みやすさ」で判断してしまうことです。
試験では嗜好は一切関係ありません。

相対的な位置づけを冷静に判断することが、点数に直結します。


評価欄は「積み上げの結果」

最後の評価欄では、ヴィンテージ、産地、品種、提供温度、グラスなどを選択します。

ここは当てにいく場所ではなく、外観・香り・味わいを積み上げた結果として導かれる仮説を示す場所です。
前段のコメントが整理できていれば、評価欄は自然と絞り込めます。


比較テイスティングは「セット固定」が近道

比較テイスティングが重要なのは事実ですが、問題は「何を比べるか」がブレることです。

おすすめは、毎回同じセットで回す方法です。

  • 白:シャルドネ系/ソーヴィニヨン・ブラン系/リースリング系
  • 赤:カベルネ系/ピノ系/シラー系

最初は代表的なキャラクターを体に入れ、そこから周辺品種に広げていきましょう。


ワイン以外の酒類は「分類」で点を拾う

ワイン以外の酒類は範囲が広いため、対策の優先順位が重要です。

  • 酒精強化ワイン
  • 蒸留酒
  • リキュール

狙いは銘柄を当てることではなく、系統を外さないことです。
時間配分としては、ワイン対策を優先した方が合格に直結します。


当日の時間配分で差がつく

本番では、1本に悩みすぎると全体が崩れます。

  • まず全体を一周する
  • コメント欄をすべて埋める
  • 最後に評価を詰める

「まず埋める」ことを最優先にしてください。未記入は確実に点を失います。


二次試験の怖さの正体は「孤独」

二次試験は正解が見えにくいため、独学だと「これで合っているのか分からない」という不安が積み上がります。

必要なのは精神論ではありません。

  • 型を固定する
  • 記録を根拠ベースで残す
  • 比較セットを固定する

この3点を回せば、独学でもブレは確実に減ります。

まとめ

評価の中心は、外観・香り・味わいというワインから客観的に読み取れる要素を、試験用語に正しく当てはめられるかにあります。不安の正体は才能不足ではなく、試験構造への誤解です。

外観で軸を作り、香りは系統で捉え、味わいは強弱とバランスで判断する。この積み上げができれば、評価欄は自然と絞れます。独学であっても、型を固定し、比較セットを揃え、根拠を残す練習を続ければ、ブレは確実に減ります。

二次試験は孤独に感じやすいですが、正しい考え方と手順を身につければ、合格に近づくルートは誰にでも用意されています。
焦らず、淡々と積み上げていきましょう。

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