ソムリエ呼称資格認定試験は、一次(筆記)、二次(テイスティング)を突破しても終わりではありません。
最後に待っているのが三次試験、すなわち「論述試験」と「サービス実技試験」です。
特に不安を感じやすいのが、 パニエを用いた抜栓とデキャンタージュを行うサービス実技でしょう。
結論から言います。
三次試験は、高度な技術を競う試験ではありません。
協会が見ているのは、「ソムリエとして最低限、安心して現場に立てるか」です。
※三次試験の採点基準は一切非公表の為、実際の受験者の話を参考に作成しております。予めご了承ください。
ソムリエ三次試験の全体像
まずは全体像を整理します。
三次試験の構成
| 区分 | 内容 | 実施日 | 主な評価軸 |
|---|---|---|---|
| 論述試験 | 記述式(3問) | 二次試験当日 | 論理性・正確性・実務視点 |
| サービス実技 | 抜栓・デキャンタージュ | 二次とは別日 | 動作・言葉遣い・所作 |
※論述試験は二次試験当日に実施されますが、評価は三次試験の一部です。
三次試験の合格率が示す「本質」
過去のデータを見ると、三次試験の合格率は概ね80%前後で推移しています。
この数字が示しているのは、「多少のミスで落とす試験ではない」という事実です。
ただし、ここでよくある勘違いがあります。
普段サービスしているから大丈夫
デキャンタージュは仕事でやっている
これはかなり危険です。
三次試験は、日常業務の延長ではなく、協会が定めた“型”を再現できるかを見ています。
サービス実技試験で見られている本当のポイント
技術的な細かさより、評価の軸は明確です。
重要なポイント
| 観点 | チェックされる内容 |
|---|---|
| 流れ | 手順に無理や抜けがないか |
| 所作 | 慌てず、落ち着いているか |
| 清潔感 | 服装・身だしなみ・道具の扱い |
| 言葉 | 敬語・簡潔・聞き取りやすさ |
| リカバリー | ミスした後の行動 |
完璧さは不要です。
むしろ「小さなミスをしても動じないこと」が評価に直結します。
サービス実技の流れ(全体像)
細かい動作以前に、まずは全体の流れを身体に入れることが重要です。
実技試験の基本フロー
- 受験番号・氏名を名乗る
- 注文されたワインを復唱
- ワインをパニエで運ぶ
- デキャンタージュの提案
- 道具の準備・確認
- 抜栓
- 自身のテイスティング
- デキャンタージュ
- ホストテイスティング
- 提供・片付け
- 終了報告
この流れが止まらず、一貫しているかが最重要です。
デキャンタージュで差がつくのは「技術」ではない
多くの受験者が「オリを残す量」「ボトルの角度」ばかり気にします。
もちろん大切ですが、本当に差がつくのは“説明と言葉”です。
古いワインの場合(オリがある想定)
- なぜデキャンタージュが必要か
- なぜ少量残すのか
を一言で、論理的に伝えられるか。
若いワインの場合(オリがない想定)
- 香りを開かせる目的であること
- 全量を注ぎ切る判断
この意図の説明ができれば、技術的に多少拙くても致命傷にはなりません。
会場での過ごし方が、実技の出来を左右する
三次試験は、待ち時間が長いのが特徴です。
この時間をどう使うかで結果が変わります。
推奨される過ごし方
- 実技の流れを「頭の中で実況」できるか確認
- セリフを声に出さず、口の動きで反復
- 深呼吸して姿勢を整える
逆に、他人の動きを見て修正しようとすると、ほぼ確実に崩れます。
論述試験も三次試験の一部である
忘れられがちですが、論述試験も三次評価に含まれます。
ここで求められているのは、
- 正確な知識
- 設問に対する的確な回答
- 実務に即した表現
です。
暗記量よりも、「結論 → 理由 → 具体例」の型を守れているかが重要です。
三次試験の本質的な位置づけ
ソムリエ三次試験は、
- 技術コンテストではない
- 度胸試しでもない
- 落とすための関門でもない
「一次・二次で身につけた知識を、現場で安全に使えるか」
それを最終確認する試験です。
途中で言葉が詰まっても、少しワインをこぼしても、動作を一つ飛ばしても――
最後まで崩れず、やり切れば合格圏です。
まとめ|三次試験は“準備量がそのまま安心感になる”
- 三次試験は怖がりすぎなくていい
- ただし、準備なしで臨むのは論外
- 型を知り、流れを体に入れることが全て
いよいよ三次試験まで辿り着いたあなたは、すでにソムリエとして選ばれつつあります。
どうか焦らず、今まで行ってきた勉強や練習を信じて本番を向かえてください。

